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2006年3月 8日 (水)

言葉をくれた作品・マスターキートン

マスターキートン File13 DVD マスターキートン File13

販売元:バップ
発売日:2000/06/21
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「自分を虫ケラだと思って、そこから這い上がろうとする奴は、虫ケラとは言わない!」

「それは人間だ。」

かつて、SAS(英国特殊空挺部隊)というエリート部隊に身を置きながら、今や落ちぶれ、麻薬シンジケートに街中を追われる身になっても尚、戦い続ける男、ジェームズ・ウルフの言葉が、僕の胸を大きく揺さぶる。

そんな登場人物たちの、咽喉の奥から搾り出すように吐いた台詞を、濃密に詰めた作品が『MASTER KEATON』(浦沢直樹)である。

オムニバス形式で語られる様々な物語は、甘いラブストーリーから骨太のハードボイルド、そして涙を誘うドラマから心凍て付くホラーまで全てのジャンルを網羅している。

ここまで広いカテゴリーを持ちながら、全体の話が支離滅裂とならないのは、その根底をヒューマニズムが、しっかりと支えているからであろう。

そうした物語が、一見すると何だか頼りないが、実は、サバイバルの専門家で、今まで数多くの修羅場を潜り抜けた主人公(平賀=キートン・太一)と作者の深い造けいとによって紡がれて行くのだ。

前出の台詞を引用させてもらった「狩人の季節」以外にも、一級のサスペンスである「RED MOON」や、人間のあるべき生き方を示唆する「穏やかな死」、少年時代の一幕を描いた「長く暑い日」など、あまたの素晴しい話があり、その枚挙に暇がない。

何度観ても、新しい発見をくれる作品である。

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