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2006年3月18日 (土)

ライ麦畑でつかまえて

ライ麦畑でつかまえて Book ライ麦畑でつかまえて

著者:J.D.サリンジャー,野崎 孝
販売元:白水社
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 今更ながら、『ライ麦畑でつかまえて』(J.D.サリンジャー)を読んでみた。

何でも、かつて一時期、アメリカでベストセラーになり、自らを小説の主人公と思い込んだ若者もいたりして、かなり話題となったそうである。

そんな作品背景や、僕の周りでも、しばしばこの作品を推薦する知り合いがいた事から読んでみる気になったのである。

翻訳書がいくつか出ているようだが、僕は野島 孝の本が、気に入った。

村上 春樹が翻訳した本も読んでみたが、その文体が、いささか綺麗過ぎる気がした。

あくまでも個人的なイメージなのだが、野島 孝の文体の方が、埃っぽく、汚く、メインストリートから1本路地へ入ると、ネオンなどもまばらで薄暗くて危険な-ロクな事を言わず、誠に申し訳ないが-ニューヨークの夜のイメージに、とてもピッタリだと感じたのだ。

面白い、作品だと思う。

ひと言で済ませるなら、大人と子供とのはざ間にいる少年の瞳から見た、都会の様相が描かれている、と言った所だろうか。

おそらくそれは、過去から現代、そして未来へと続く普遍的なテーマである。

16歳の少年、ホールデンのユーモア溢れる独特の視点が良い。

周囲の全てに対して、皮肉たっぷりで鋭く的を射た辛らつな言葉を吐きながら、しかし、その眼差しは、決して冷ややかなものではなく、愛情に満ち暖かい。

また、その内容も、ケンカをして殴られたのに、そんなことを忘れてその友人に電話を掛けそうになったエピソードなどのコミカルな話や、彼の家族との思い出のエピソードをしっとりと語った、胸が熱くなるような話まで、多種多彩である。

現代まで飽きられる事無なく、読み続けられた、その所以が少し納得出来た。

これからも、きっと長く読まれる作品だと思う。

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